父が元気だった頃、来客の予定ができると「おい、上野に行って両関買ってこい」と命じられた。秋田の湯沢出身の父は、生家の近所にあり、幼い頃ここの蔵元の子とも遊んだことがあったらしい「両関酒造」の酒をこよなく愛していた。
後年私自身が酒をたしなむようになって、両関のうまさにおどろいた。
鼻にもたつく日本酒のあのいやな匂いがなく、花のようなよい香りがする。といっても華やかな感じではなく、非常に控えめな雰囲気の微妙な香りである。
それ以来「両関」を私自身が上野まで買いに行くことが多くなった。そう、首都圏でも扱っている店が極端に少ないのだ。そして、コンスタントに売っている店が上野にあったのだ。
残念ながら10年ちょっと前に上野のその店がなくなった。
以来、両関探しがはじまった。
有名デパートのどの店に行っても大抵は「いやー、聞いたことがないです、入ったこともないですね」といわれる。三越・高島屋・伊勢丹・松坂屋…ことごとくダメである。酒の専門店でも同じだ。
とある地酒の専門店に「たまたま入った」という「両関伝説 夢」 を発見、思わず衝動買いしたのがネット外で両関を買った最後である。
とまれ、秋田県内では両関といえばお祝い事等の席にはかの「爛漫」以上に重宝されるらしい。それほどメジャーな酒なのだがどうしてか、他地域にはなかなか出回らない。
何度も品評会で優勝している研究熱心な蔵元の酒がなぜ秋田県外ではこれほど出回っていないのか?「両関」は新潟・北陸の超有名日本酒に勝るとも劣らないと私は思うのだが…謎である。
知名度がないのも謎である。生産量の問題だろうか?かくて、2002年を越えるまでは両関は「滅多に手に入らない」酒であった。
そうそう酒ばかりもさがしていられない。でも両関をのみたい!
インターネットの急速な普及によって事態は一変した。
ありとあらゆる両関のラインナップがネットで手にはいるようなったのだ。
小躍りし、さっそく両関を注文したのはいうまでもない。インターネットさまさまである。
現在は扱うネットショップも増えて(多少ではあるが)、さらに両関は手に入りやすくなった。
最後に一応説明しておこう。誤解を生じてはいけない。
「両関」は基本的にあまり「辛口」ではない。どちらかというと「ちょっとだけ甘口(日本酒度−1程度)」のものがラインナップの主流である。
「辛口じゃなきゃは酒と認めない」というような頑固な辛口派にはもったいないからのませるのをよしたほうがいいかも知れない。
しかし、我が家の宴会記録では「甘口で口に合わない」と言った人はおらず、「甘めなのにうまい、のみやすい」という感想が出てくるのが常である。
一升瓶があっという間に空になっても当サイトでは一切責任を負えませんので念のため。ちなみに管理人が好きなのは「両関伝説 夢」という亀の尾仕込みの吟醸酒であるが、これは高いので「本醸造」がおすすめである。
| 【PR】 |